農業現場の人不足と、適法人材の活用の促進を目指して

 GAPには人権・労務管理の管理点がありますが、外国人技能実習生や外国人労働者の扱いが問題になることが多い分野です。また、コロナ禍の影響もあり、技能実習生が予定通りに入ってこないために労働力不足になっている現場もあります。やむなく、不法滞在労働者を集めている業者に業務委託するなど、抜け穴を利用せざるを得ない農業現場も増えています。

 平成31年より新たな在留資格として特定技能の入国枠が認められたことから、技能実習生の経験者を中心に最長5年間の在留期間延長が認められ、農業分野では特定技能外国人を派遣の形で、農家の必要な時期だけ労働力を提供する仕組みも始まりました。農業界から期待されている新たな仕組みではありますが、派遣会社は農家の労働力の具体的ニーズ(いつ、何人欲しいのか)が分からず、情報が不足していることによるミスマッチで、普及が遅れています。

 コロナ禍により外国人の入国が制限されていることもあり、深刻な労働力不足から不法労働者を集めている業者を活用するなど不適切な労働状況も見られるようになっています。 外国人材の新在留資格「特定技能」による派遣という有用な仕組みが導入されたものの、コロナ禍もあり、双方のニーズなど情報の共有が不足しているため普及が進んでいないのが現状です。

 GAP総合研究所のネットワークにより、労働力のニーズ情報を集め、NPO法人会員の派遣会社に提供することで、特定技能の外国人労働者の活用が進みます。それにより、合法の外国人労働力の普及推進を図ることができます。

特定技能外国人の受入れ制度とは

 技能実習生に加えて、2019年6月より農業分野を含む特定14分野において新たな在留資格「特定技能」での受け入れが可能になりました。特定技能外国人材は日本で「通算」5年まで働けます。

(参考)農林水産省 資料「特定技能外国人の受入れが始まりました!」

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